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时光荏苒

大衆の面前で

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大衆の面前で


奏国首都・華都の南側にある凱旋門をくぐり抜けた皇帝軍を待っていたのは、耳を聾する民衆の歓喜の声と大通りを埋め尽くさんばかりの人混みだった。龍一頭がようやく通れるほどまで狭くなってしまった大通りを、青龍隊を先頭に白龍隊、そして皇帝近衛隊である紫龍隊が凱旋する。

「すごい人の数ね・・・・・・シャンジェの何倍くらいいるのかしら」

凱旋行進にも拘わらず頭髮稀疏、相変わらず青龍に乗せられたままのメイコが背後のカイトに尋ねる。

「たぶんこの通りに出てきた人間だけでもシャンジェの5倍くらいはいるんじゃないかな。人が多すぎて危険だから女子供、高齢者は見物を控えるように、って毎回お触れを出さないといけないほどなんだ」

嬉しさと困惑が入り混じった声でカイトがぼやく HKUE 認可性。皇帝の帰還、特に戦争に勝利しての凱旋行進には民衆が多く出迎えてくれる。しかしその人混み故に毎回怪我人が多数、時には死者まで出てしまう有り様なのだ。祝いの凱旋に死傷者が出てはまかりならんと、毎回見学者を規制するお触れを出すのだが、皇帝の人気と相まってまるで効力が無いのが実情である。

「特に今回は瓔珞高原で大勝したからね。民衆の高揚ぶりも半端じゃない」

カイトのその言葉にメイコも深く頷いた。瓔珞高原における青龍隊の奇襲攻撃は既に華都にも届いているらしい資生堂負離子直髮。露払いを兼ねている青龍隊には特に大きな歓声が沸き上がるのだ。そしてその声に混じり、娘たちの嘆きの声もメイコの耳に届いていた。

「カイト様の青龍に一緒に乗っているのって・・・・・・誰よ」

「黒龍教の制服を着ているってことは、魔導師ってことよね?」

「でもあれ、女性よね?カイト様って男の子が好きだったんじゃないの?」

「それってもしかしたら単なる噂で、実は女性もお好きだとか?」

「だったのかもね。でももう遅いわよ・・・・・・聖龍の掟はあんただって知っているでしょ?」

「そりゃあ知っているけど・・・・・・お妾とかのチャンスは有るわけよね」

「無理無理。鏡を見てからモノを言いなさいよ」

どうやらカイトは民衆の娘たちにもかなりの人気を誇っているらしい。そんな娘たちへの申し訳無さと同時に、大衆の面前でカイトに腰を抱えられながらスミレに騎乗している状況に、メイコは不意に羞恥を覚えた。

(私の魔法を警戒してのことなんだろうけど・・・・・・傍から見たら特別な関係に見えちゃうよね、これって)

自分は捕虜として捕まっているのだと声高に叫びたいが、この状況では誰も信じてくれないだろう。言いようのない徒労感を抱きつつ、メイコはスミレに乗せられたまま、皇宮朱夏門をくぐり抜けた。
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